こんばんはTSUBOSUGI1975です。
今回は先日、奈良県吉野郡川上村の「かくし平」と「三之公」を訪ねてきましたので簡単に紹介したいと思います。
かくし平・三之公とは
「かくし平」・「三之公」は奈良県吉野郡川上村にある史跡です。「かくし平」・「三之公」は山深い場所にありますが、かつてこの地には南朝再興を画策した公家の尊義王が潜伏されたと伝承されています。
尊義王は南朝再興を画策し三種の神器の一つ八尺瓊勾玉を奪い「三之公」に隠れ住みましたが追手から逃れるために、さらに奥の「かくし平」に移り住んだと伝えられています。
「かくし平」に行宮を建て、この地に南朝を再興しようと画策しましたが尊義王は志半ばで、この地で亡くなってしまいます。
尊義王と行動を共にした自天王と忠義王は赤松氏に討ち取られ八尺瓊勾玉は奪還されます。そして南朝再興は夢と消えたのでした。
「三之公」という名称は三人の公家がこの地を住まいとしたことから名付けられたという説があります。
「三之公行宮址」には石碑が建てられており昭和53年に川上村文化財第1号として登録されています。
アクセス
「かくし平」へのアクセスはかなり厳しいものがあります。ほぼ登山になりますので安易に軽装で訪れないように気を付けてください。
車では入山口の前まで行くことができます。国道169号線から大迫ダムで県道224号線(大台大迫線)に入ります。しばらくは県道224号線を吉野川沿いに進み続けます。途中で集落が現れ入之波温泉 山鳩湯があります。
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吉野川が二股に分かれた地点で県道224号線から外れ林道に入ります。林道を行き止まりまで進むと鳥居と小さな祠が出てきます。ここが「かくし平」への入山口になります。
鳥居の付近に数台駐車できるスペースがあり、鳥居の手前にトイレがあります。林道は落石、木の枝、落ち葉が散乱する道になりますので運転には注意が必要です。
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入山すると沢沿いを歩き続けます。細いトラバース道と木の橋が続きますので歩きやすい道とはいえません。
木の橋は新しいものから古いものまであります。苔まみれで滑りやすい橋もありますので慎重に渡るほうが無難です。
なかには朽ちていてとても渡れない橋、完全に崩壊している橋があります。無理に渡ろうとすると橋が崩壊して谷に落ちる可能性があります。橋を使わず迂回するのが無難ですが、危険と感じた場合は引き返す勇気も必要です。
これらの危険個所をいくつか越えて「かくし平」に到着するわけですが、川上村が史跡に指定している限りは訪れる人がおられると思います。
このままではいつ大惨事が起きるとも限りませんので川上村がいち早く橋を整備する必要があると感じます。
かくし平と三之公行宮址を訪ねる
険しい道を1時間半~2時間ほど歩くと「かくし平」に到着します。今までの細い登山道から急に開けた場所になります。特になにもない場所ではありますが、こんな場所に公家が隠れ住んでいたとは・・・
「かくし平」は開けているだけではなく水も豊富に流れています。潜伏するには絶好の場所だったのでしょうか。
「三之公行宮址」は「かくし平」から10分程度登った場所にあります。「かくし平」よりさらに開けています。しかしこんな山奥に行宮が存在していたことに驚くばかりです。
「三之公行宮址」からさらに奥に進むと尊義王の墓があるのですが私はこの道標にしたがって進めばよいと思い込んでしまいましたが違ったようでした(;^ω^)
下山時に探す気力がなくスルーしてしまいました。なんのためにここまで来たのか・・・
大迫力の明神滝
「かくし平」までの途中には「明神滝」があります。100mほど急な下りがありますので当然100mほどの急登の登り返しがあります。
体力は消耗しますが是非とも近くまで行って滝を見ることをおススメします。すごい水量で大迫力です。
急登の先には馬ノ鞍峰
「三之公行宮址」からさらに登って行くと「馬ノ鞍峰」に到着します。稜線に出るまでは踏み跡が薄い急登が続きます。目印のリボンやテープ、地図、登山アプリなどを確認しながら進まないと道迷いを起こす可能性があります。
稜線に出るとなだらかなアップダウンが続きます。一部ヤセ尾根もありますがおおむね歩きやすいです。
ピラミッドのような形の白髭岳を見ることができました。
台高山脈縦走路のピークの一つの馬ノ鞍峰(標高1178m)です。山頂はさほど開けてはいませんが、なかなか良い雰囲気の山頂です。
おわりに
以上が「かくし平」と「三之公」の簡単な紹介でした。
なかなか厳しい道のりでしたが、「かくし平」に到着した際にはこんな場所に南朝を建てようと画策したことに驚愕しました。
今では途中までは車で来れますが、どれだけの距離を歩いて険しい山奥に逃れて来たのかと考えると昔の人はすごいなと思います。暗黒、熊などの獣のことを考えると私は一晩過ごすのも不可能です(;^ω^)
「かくし平」と「三之公」は史跡なので歴史好きの方は訪れたいと思うかもしれませんが登山経験者以外はなかなか訪れるのは難しいと思います。
夏にはヤマヒルが多いらしいですし、熊の目撃情報もある山ですので訪れる時期も考えた方が良いかと思います。春、秋に複数人で訪れるほうが良いかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m